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ハッピー動物病院では、椎間板ヘルニアの治療を行っています。内科・外科治療両方に対応しております。お困りの方はご相談ください。

電話でのご予約・お問い合わせはTEL.03-6276-9376

〒142-0053 東京都品川区中延4-21-7ストーク中延102

病気Disease

椎間板ヘルニアについて

当院では、内科・外科含め椎間板ヘルニアの治療を行っております。
もし歩けなくなってしまった子で、どうしてよいのかわからない場合は、お気軽にご相談ください。

☆椎間板ヘルニアについて

動物の背骨は、椎骨と言われる骨とクッションの役割をする椎間板が交互に連なり構成されています。
椎間板は、繊維構造をした繊維輪とそれに囲まれた髄核と呼ばれるゼリー状の物質で構成されています。椎間板があることにより、椎骨間の動きを円滑にします。

椎間板ヘルニアとは、繊維輪に亀裂が入ることにより、髄核が繊維輪を押し上げたり、繊維輪を破って飛び出る状態を言います。飛び出た椎間板が、神経に触れたり圧迫したりすることにより、激しい痛みや麻痺の症状を起こします。

●椎間板ヘルニアのタイプ
@ハンセンT型
遺伝的に生まれつき、軟骨が弱い軟骨異栄養犬種と呼ばれる犬種に起こりやすいタイプです。
ミニチュアダックスフント、ビーグル、ウェルッシュコーギー、ペキニーズ、シーズーがそれに当たります。
これらの犬種は、若いうちより椎間板内の水分が減少し、髄核部分が固く変性します。そして、椎間板のクッション性が低下するのと同時に、繊維輪の強度も低下してくるのです。やがて、繊維輪が破れ、そこから固くなった髄核が突出し脊髄神経を圧迫するのです。

AハンセンU型
柴犬や大型犬に多くみられるタイプです。ゴールデンレトリバー、ジャーマンシェパードがそれに当たります。
繊維輪自体が、中にある髄核によって持ち上げられ、脊髄を圧迫するのです。繊維輪を破らないタイプですので徐々に症状が進行することが多いのです。慢性経過が多い椎間板ヘルニアのタイプです。

椎間板ヘルニアは、症状の程度により5つのグレードに分類されます。
グレードT;背中を丸めたり、段差の上り下りを嫌がる、散歩に行きたがらない、抱くときにキャンとなくなどの症状が見られます。フラフラしたりする、神経学的症状は見られません。

グレードU
;歩くことは出来ますが、後ろ足に力がきちんと入らないフラフラした状態が見られます。足の甲を引きずってしまうために、甲に傷ができたり、爪の表側のすり減りがみられます。

グレードV;きちんと足をついて歩行できない状態です。補助してあげることで起立できますが、歩行すると後ろ足を引きずってしまいます。

グレードW;麻痺した状態です。足先を器具でつまむと痛みがまだ残っている状態です。
グレードX;麻痺した状態です。足先を器具でつまんでも痛みが消失している状態です。

脊髄軟化症;脊髄の障害があまりに大きい場合、脊髄が障害した部位より進行性に軟化していくことがあります。徐々に病変が広がっていき、いずれは呼吸が停止して死亡します。現在の獣医療において治療法はありません。

●椎間板ヘルニアの治療法
病気の重症度、飼い主様のご希望により内科療法または外科療法を選択します。
@内科療法;グレードの低いものは、通院治療が可能です。治療薬の内服と家での安静により回復することが多くみられます。グレードが高くなればなるほど、入院し絶対安静とともに、点滴治療が必要となってきます。内科療法にも限界がありますので、グレードの高いものほどはじめから外科療法を選択したほうが良い場合があります。 
A外科療法;特にグレードの高いものに関しては手術の適応となります。
手術の目的としては、脊髄神経の圧迫を取ることにあります。器具を用いて脊髄神経を取り囲んでいる骨を除去します。それだけでも十分効果はありますが、さらに効果を期待するには、脊髄を圧迫している、椎間板物質を取り除きます。(ハンセンT型のみ)
B幹細胞治療;重度の椎間板ヘルニアの子に対して幹細胞治療の効果が期待されています。

椎間板ヘルニア症例
突然の、後肢麻痺で来院しました。。
ハッピー動物病院へ来院した、椎間板ヘルニアの犬が起立不能になった時の術前写真

MRI検査を行いT13(胸椎の第13番目)−L1(腰椎の第1番目)間で、椎間板物質による脊髄神経の圧迫が見られたため手術を行いました。
ハッピー動物病院へ来院した犬のMRI像の写真

椎体を削り、脊髄神経を露出し神経の圧迫を解除しました。その後椎間板物質を除去してさらに圧迫の解除を行いました。
ハッピー動物病院へ椎間板ヘルニアで来院した犬の、手術時の写真


術後、数日より多少ふらつきはあるものの歩行可能となりました。
現在は問題なく元気です。

椎間板ヘルニア症例

突然の後肢麻痺で来院しました。
動画の通り全く動きません。



手術までの間、院長自作のコルセットにてしっかり固定してました。
結構固定力もよく、体型に合わせて作るのでかなりの優れものです。


今回は、腰椎の1番目と2番目の間の椎間板が原因ですのでそこを開けます。


手術中は、細菌感染を極力防ぐためにプラスチックドレーブをかけて行っています。


脊髄神経を露出して飛び出した椎間板物質を除去しました。


とれた椎間板物質です。




術後2週間の動画です。だいぶ歩けるようになってきています。



下記2つの動画は、術後3カ月経過の動画です。もうかなり普通に歩行しています。




☆椎間板ヘルニア症例

グレード5の症例です。深部痛覚が全くない状態(指先を思いっきり器具でつまんでも全く痛みのない状態)で来院しました。


赤い矢印の部分に、すごくたくさんの椎間板物質が飛び出しています。脊髄も浮腫を起こしており、かなり重症でした。


椎間板物質が、椎体上にありましたので2か所骨を削っています。


大量の椎間板物質がでてきました。


術後1週間の時点ではまだまだ立てませんが、現在リハビリ中です。



☆要注意の症例

ほかの子たちと同じように、後ろ足が麻痺した子の中には腫瘍などその他の疾患が混じっている場合があります。
MRI、CTをとらないと診断がつきにくいのです。

下記の写真は、両方とも同じワンちゃんのCTとMRIです。

このMRIにて、赤矢印部分の脊髄に腫瘍性病変が確認できます。


このCTにて、T7と書いてある部分の背骨が溶けているのがわかります。
腫瘍性病変は脊髄から骨にまで広がっていました。


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